昨年から、F1では差別や環境問題について観客や視聴者に対してアピールする機会を設けている。
最も熱心なのは7回のワールドチャンピオンだが、彼の「声高に、見せるだけの」アピールは度々批判にも晒されている。
一方、「静かに、実際に」環境問題に取り組む4回のワールドチャンピオンの姿勢を、f1i.comが報じている。セバスチャン・ベッテルは、2020年のF1シーズン開幕前の昨年のロックダウン中の過ごし方を明らかにした。この期間、ドイツ人ドライバーは文字通り自らに刺激を与える活動に没頭していた。

ベッテルは、典型的なありふれたF1ドライバーとは一線を画している。それは、4度のワールドチャンピオンに輝いた実績が物語るだけではなく、自分の存在を地に足のついたものとして捉え、派手さや華美さを感じさせない私生活を送っているからだ。

昨年、F1のシーズンが新型コロナウィルスの流行によって中断されて約4ヵ月間レースが行われなかった時、33歳の元フェラーリドライバーは、同僚とオンラインで競争するために最新のシミュレーターを急いで購入することもなく、スイスの自宅にあるコレクションから古いクラシックバイクを修復することにも時間を割かなかった。

環境問題に敏感で、日々の生活の中で、地球を傷つけるのではなく、地球のためになるような個人的な選択をしようとしているベッテルは、空き時間を利用して有機農場でのインターンシップに参加した。

アストンマーティンのドライバーであるベッテルは、プロジェクトのアンバサダーとして Bio Bienen Apfel(ミツバチによる有機リンゴ栽培)のイベントに参加したウィーンで、その努力を明らかにした。

去年の最初のロックダウンで、予定よりも時間が空いてしまった。
自分には何ができるのか、何に興味があるのかを考えた。
農業や農作業の話題には興味がある。

しかし、ベッテルが特に興味を持ったのは、世界の生態系にとって極めて重要な要素であるミツバチだった。そして、彼はミツバチの数を安定させ、自然に増やすことを主な目的とした Bio Bienen Apfel に所属した。

「F1と環境保護は、決して矛盾するものではない」とベッテルは主張する。

「未来の課題に備えるためには、新しい地平線を切り開く勇気を持たなければならない。
僕が Bio Bienen Apfel プロジェクトを支持するのは、誰もが貢献できると確信しているからだ。
ミツバチのために一歩前進する必要がある。」

ベッテルは、F1ドライバーとして厳しい食事制限をしていたことで、長年にわたって有機農業やその生産物に興味を持っていたと言う。

「アスリートとして、栄養学を通して興味を持つようになったんだ。
より健康的な食事をして、より高いパフォーマンスを発揮するためにはどうすればいいのか?
自問自答しているうちに、すべての野菜が同じように作られているわけではないことに気づいた。
すべてのリンゴに同じ栄養素が含まれているわけではないんだ。」

「去年、僕はこのテーマについて調べる機会を得たんだけど、実際に知って、毎日対処している人たちと話すのはとても興味深いものだった。
確かにとても興味深かった。」

2021年シーズンの開幕に先立ち、オーストリアの水処理会社BWT社とのコラボレーションを発表したベッテルは、これまで53回のグランプリを制してきた経験から、使い捨てのペットボトルの不要な使用を促進することを目指している。

先月、ベッテルは次のように述べている。
「F1ドライバーとして、この問題について発言し、自分の声を聞いてもらうことは正しいことだと思う。
同じ視点と目標を共有するBWT社というパートナーを見つけられたことを嬉しく思う。
プラスチック廃棄物の量を減らすことで、一歩一歩、世界を少しでも良くすることができるんだ」。

セバスチャン・ベッテルはF1ワールドチャンピオンであり優れた「ルネッサンスマン*」だ!

* 1994年のアメリカ映画のタイトル。邦題「勇気ある者」